畜産技術/技術酪農

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低コストサイロの決定版!!
グランド(スタック)サイロの作り方


特徴


良いサイレージを作るには

1 適期刈取をする。

原料草の糖含量の高いとき、トウモロコシは黄熟期、イタリアンは出穂期に収穫します。この時が一番糖含量の高いときです。

2 適切な水分含量60〜70%に調節する。

牧草類は予乾をする。高水分のまま詰め込む場合は、ビートパルプ等を添加して水分調整する。

3 材料は細かく切断する。

トウモロコシ等ホールロップで1〜1.5cm、牧草類で3cmに切断する。

4 材料は早めに、詰め込む。

原料草は早期に詰め込み、踏圧と密封を行い嫌気的条件で乳酸発酵を進める。貯蔵温度は20℃以下とする。


サイロの備えるべき条件

  1. 密封が用意であること。
  2. サイロの基本は早く密封して、嫌気的乳酸発酵を促進させること。

  3. 排汁が排出しやすいこと。
  4. 高水分のサイレージは、サイロ下部の排汁の排出が悪いと劣質になる。

  5. 作業能率が高いこと。
  6. サイロの詰め込み、サイレージの取り出し作業が容易であること。

  7. 安全に作業できること。
  8. サイロには有毒ガス、酸欠、高所作業、大型機械の利用と危険が多く、これらをさけられること。

  9. 経済的であること。

グランドサイロの有利性

(1)作業効率が良い

 従来の固定サイロは詰め込みが人力に依存せざるを得ず、特にサイロ内部の作業環境は重労働で危険を伴う。このサイロはトラクターで踏み込みを行うので、詰め込み密度が高まり、楽に仕事ができる。また、サイロ自体の危険はまったくない。

グランドサイロの作業効率(タワーサイロとの比較)

サイロ名使用機械人員作業速度
タワーサイロコーンハーベスター付トラクター
ファームワゴン
ブロワーと専用トラクター
3〜4人15t/day
グランドサイロコーンハーベスタ付トラクター
ファームワゴン
フロントローダー付トラクター
2人18t/day
グランドサイロ上記機械+ファームワゴンと専用トラクター3人33t/day

(2)経済的である

 ポリエチレンシート(0.1mm×5.4m×100m)、213円/m、同ビニール478円/m(H2年)とすると、1山15tのサイロで13.5m使用すると、ポリで2,876円、ビニールで6,453円の費用となる。(サイレージ1Kg当りポリで0.19円、ビニールで0.43円)

サイロの種類グランドサイロビニールバックサイロ簡易枠(コンパネ鉄板)サイロ地下角型ホイスト付サイロFRPスチールサイロ気密サイロボトムアンローダー付
u当りの費用(円)5,00010,00025,00060,00080,000
耐用年数125152030
年利用回数132223
総利用回数1610304090
u当りサイレージKg数500500500500750750
Kg当りサイロ費用(円)0.19
0.43
1.721.721.2
(「これからの自給飼料戦略、サイレージ調整給与の理論と展開」
 高野信雄氏(S59.8)より作表)

3)品質が安定している

 このサイロは、どの部分も水分、品質ともに均一化しており、安定している。

留意点

トラクターでの踏圧時に、横転に注意する。
(必ず山の長い方向に直角に往復すること。)


グランドサイロの作り方

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